ドガ展 「エトワール」初来日

ドガ展 「エトワール」初来日

先週の日曜日、横浜美術館で開催中の『ドガ展』を見に行って参りました。
この美術館は面白い企画が多いのでよく行きますが、今回のドガは日本人の大好きな印象派の作家ですから混雑を覚悟で行ったのですが、案の定美術館に入る所から渋滞です。
会場内もたくさんの人だかりで、国立新美術館でのフェルメール展のようでした。
今更ながら日本人の印象派好きには呆れます。

 

そんな印象派の巨匠のドガですが、きれいなものを見たい気分だけで行ったのですが、ちょっと考え方や見方を変えた方がよろしいかなというのが、観覧後の率直な感想でした。

 

裕福な銀行家の息子として生まれたドガですが、古典絵画を学んだ後、伝統的なサロンに不満を持つ同時代の仲間たちと印象派展を開催し、その中心的な役割を果たしていくのです。
屋外で風景を描く多くの仲間たちと違い、彼はアトリエにてデッサンを再構成し、緻密な計算にもとづいて画面を作っていきました。絵の主題こそは都市の日常的な情景だったり、踊り子などの風俗的なものですが、よくよく彼の絵を眺めてみると気付くのですが、極端なクローズアップや断ち落としなどの大胆な構図、版画とパステルを併用した新しい技法など、当時としてはかなり革新的な試みが行われています。
表面的な美しさに目を奪われて、ドガの革新性に気がつかないでいたのは私も同様で、今でこそあたりまえの構図や手法に、一人アトリエの中で孤独に挑戦したいたのかと思うと、近代絵画の父と呼ばれるセザンヌと同じように評価しなくてはならないのかもしれません。
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ちなみに晩年には入浴する裸婦などをテーマにすることが多くなるのですが、女性を美化せずありのままの姿を描くことが、当時としては革新的で人気がなかったようです。
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人は、わかりやすい表面的な美しさに目を奪われまがちですが、その奥に潜んでる作者の思いや革新性などにはなかなか気がつかないものです。
まして当時の時代背景を勉強し理解した上で鑑賞しないと、なぜ名画とよばれているのかもわからずに漫然と見過ごしてしまうものです。
ひょっとして、同時代に生きてるアーティストたちの作品にもそれは言えるかもしれませんね。