シミュレーショニズム

シミュレーショニズム

シミュレーショニズム

 

1980年代のNYから始まったアートの一傾向。
シミュラークル(模像)をよりハイパーリアルな状態(実在)とするためにシミュレーションが用いられる。
1981年にジャン・ボードリヤールが書いた「シミュラークルとシミュレーション」から多大な影響を受けている。

 

 

ボードリヤールは、もはや何の制度や意味も持たず、イメージや記号といったシミュラークル(模像)は、実在すると考える。その方法としてシミュレーションが用いられるとする。
制度化されたアートシーンの閉塞状況を打ち破るために制度外のイメージや記号を実在としなければならない、あるいは資本主義的な、マーケットの要請によって、若しくは、イデオロギーが消失し、シミュラークルが浮遊する1990年代の予見として、シミュレーショニズムはNYでまず導入される。

 

日本では、元々、第二次戦後、何の制度も持たず、美術に限らず、社会全体や景色において、イメージや記号が氾濫していたことに加えて、1989年のイデオロギーの消失や日本美術界の閉塞状況の打破などが重なり、1990年頃にシミュレーショニズムは発生する。
1995年には、ほぼ終結してしまったと思うが、シーンやマーケットでは未だ根強く残っている傾向である。

 

シミュレーションとは、ないことをあるように擬装することであり、反復可能である。
完全なシミュレーションは、何かを参照することなくそれ自体で完結し、何度シミュレートしても変わることがない。
つまり、非参照による原型、本体、元ネタ、意味、制度の前提拒否と、反復による本体、意味、制度の無効化、によって、シミュラークル(模像)をそれだけで実在させるというわけだ。
反復による制度の無効化は、写真という複製技術によってアウラが消失するとベンヤミンが、指摘するように、19世紀末から20世紀初頭において、既に技術的に生じており、20世紀は複製芸術の時代だったと言える。
しかし、シミュレーションが実在に関することである限り、シミュラークルを実在付ける制度を必ず持つ。要するに何者かによる制度付けがあり、シミュラークルだけで実在しているとは言い難いのだ。

 

 

1986年のソナベントギャラリー(Sonnabend Gallery、NY)での展覧会においてネオ・ジオという括りをされるが、今はシミュレーショニズムの代表的作家とされている。そのときの中心的な作家が
ピーター・ハリー(Peteer Halley)、ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)、アシュリー・ビカートン(Ashley Bickerton)、メイヤー・ベイスマン(Meyer Vaisman)だ。

 

4e8a4191.jpg
ピーター・ハリー(Peteer Halley)

 

koons-2261991a-f.jpg
ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)

 

002_Bickerton_AbstractPainting.jpg
アシュリー・ビカートン(Ashley Bickerton)

 

473.jpg
メイヤー・ベイスマン(Meyer Vaisman)

 

今なぜか私の中でシミュレーショニズムと印象派が気になる。

 

art20101011?.jpg
20101011,2010